Goin' Home

Taking a detour to meet haunting discs

Whoop 'Em Up!

ボードビル、ミンストレルの河岸を垣間見せる録音を残したUncle Dave Macon。

Uncle Dave Maconは1870年のTennessee生まれです。随分昔の人です。Maconは、1900年頃から運送会社を始めましたが、当然ながら車のない時代です。貨物車をラバで引かせ、宣伝等の目的で、バンジョーを弾きながら歌っていました。

Maconのバンジョー演奏は、彼の家族が経営していたホテルにたびたび宿泊していたボードビル・サーキットのメンバーの手ほどきを受けて習得したものです。

ラバに引かせる貨物車で、愉快に歌うMaconは、市井の人々を楽しませたようですが、モータリゼーションの到来とともに、1920年前後には、運送会社をたたみ、ボードビル・サーキットに加わることにより生活の糧を得るようになります。そして、1924年7月に初めて録音の機会に恵まれ、それ以降、太平洋戦争開始頃までの間に、Vocalion, Brunswick, Bluebird等に多くの演奏を残すことになります。

そのきっかけは、何よりも、1925年11月6日にRyaman Auditoriumで行われたコンサートでの大衆の喝采でした。そして、Ryaman Auditoriumは、同月28日に放送開始するラジオ番組"Grand Ole Opry"の舞台となり、Maconは当番組の最初のスターとなりました。

Maconは150曲以上の録音を残しましたが、バンジョーを弾きながらのほら話、馬鹿話を交えた口上から始まり、バースに入るパターンが多く見られます。このあたりは、ボードビル・サーキットでのスタイルを踏襲した、いわば、ステージのミニチュア版という感じなのでしょう。このような様子を垣間みることができる1枚を紹介いたします。

1926年4月16日にSam McGeeとともに録音した"Whoop 'Em Up Cindy"。 "はじゃぎたおせ!シンディー(勝手な和訳です)”とのタイトルどおり、賑やかで愉快な演奏だと思います。

よろしければ、お楽しみください。